Golduck Lab

Symbolism will be their downfall.

【総説】ゴルダックに関する基礎研究

【ポケモン】「ゴルダック」/「Golduckian」のイラスト [pixiv]

この記事では,ゴルダックに関して
1) これまでに得られている知見を整理し,
2) 形態や生態を,類似の生物と比較・検討する
ことを目的とした.

目次

1. 基本データ
2. 種族値
3. 分布
4. 形態
5. 生態
6. 人間社会との関わり
7. 名前の由来

 

1. 基本データ

名前 ゴルダック(Golduck)
全国図鑑 #055
分類 あひるポケモン
タイプ みず
高さ 1.7 m
体重 76.6 kg
特性 しめりけ
ノーてんき
すいすい(夢)
進化 コダック
ゴルダック(Lv. 33)

2. 種族値の特徴

ゴルダック種族値を次に示す.

HP 攻撃 防御 特攻 特防 素早さ
80 82 78 95 80 85 500

種族値{x} とする.
中央値(median) $$ \begin{align} M &= \frac{80 + 82}{2} = 81 \end{align} $$

平均(mean) $$ \begin{align} \overline{x} &= \frac{1}{6} \sum_{i=1}^{6} x_i = 83.333・・・ \\ &\fallingdotseq 83.3 \end{align} $$

 {x ^2} の平均 $$ \overline{x ^2} = \frac{1}{6} \sum_{i=1}^{6} {x_i}^2 = 6976.333・・・ $$

分散(variance)
$$ \begin{align} v_x &= \overline{x ^2} - \overline{x}^2 \\ &= 6976.333・・・ - \left( 83.333・・・ \right) ^2 \\ &= 31.888・・・ \end{align} $$

標準偏差(standard deviation)
$$ \begin{align} s_x &= \sqrt{v_x} = \sqrt{31.888・・・} = 5.647・・・ \\ &\fallingdotseq 5.65 \end{align} $$

以上より,ゴルダック種族値には次の特徴がある.
1) 中央値と平均値との差が小さい.
2) ばらつきを示す標準偏差が小さい.
したがって私は,ゴルダック種族値は,偏りが小さいため,1つの能力に特化させることが難しいと考える.

3. 分布

進化前のコダックが,カントーからアローラまでの全地方に生息しているため,ゴルダック全地方で見ることができる.
この広い分布は,増田順一氏の好きなポケモンコダックであることに起因すると考えられている.

4. 形態

ゴルダックは,あひるポケモンに分類されている.
にもかかわらず,ゴルダックのモチーフはカモノハシかカッパだとする説もある.
カッパ説については,ゴルダックにカッパの特徴である皿と甲羅がないため,私は棄却する.
私は,次に示す理由から,ゴルダックが鳥類のアヒルと哺乳類のカモノハシとの両方の形態を併せ持っていると考える.

1) 四肢
ゴルダックの四肢は比較的長く,水かきが発達している.また,後肢による二足歩行が可能である.
ヒルの前肢は翼になっており,ゴルダックとは異なる.しかし,後肢は水かきも指の本数も共通していて,機能的・構造的に類似している.
一方カモノハシは,四肢の水かきが発達しているという点でゴルダックと共通している.しかし,四肢が短く,二足歩行することができない.

2) 尾
追記予定

3) 流線形
図鑑に

てあしの みずかきと りゅうせんけいの からだが すいちゅうで おそるべき スピードを うみだす (OR)

とあるように,ゴルダックは,泳ぐときに体が流線形をなす.

しかし,カモノハシと違って尾は扁平化していない.

このように,ゴルダックは非常に泳ぎが得意なポケモンなのである.
遊泳速度については,図鑑で次のように説明されている.

およぐ スピードは ポケモンじゅうで いちばん (AS)
きんメダリスト よりも だんぜん はやいぞ (OR)

したがってゴルダックは,120 km/h で泳ぐサメハダーや,フローゼル(=厨ポケ)よりも速く泳ぐことができると考えられている.

コダック時代は激しい頭痛に悩まされており,これにより不思議な力(念力など)を使っていた.
しかし,進化すると頭痛が解消され,を輝かせることで神通力を使いこなすようになると考えられている.
これについて,図鑑には次のような記述がある.

ひたいが あやしく ひかるとき じんつうりきを つかいこなすという (X)

勘違いする人が多いようであるが,ゴルダックになってもエスパータイプは付属しない
さらに言えば,じんつうりきという技は覚えないサイコキネシスは覚える).
この矛盾した図鑑説明は,ゴルダックの基礎研究がいかにおろそかにされているかを示している.

余談であるが,

ひたいが あやしく かがやくとき ゴルダックは もてる ちからを 100パーセント はっきできる (BW2)

という説明があることから,もしゴルダックにメガ進化等の強化があるとすれば,額の輝きが鍵になると推定される.

5. 生態

4. 形態 と同様に,私は,ゴルダックがアヒルとカモノハシとの両方の生態を併せ持っていると考える.

1) 生息地
主に水辺に生息している.
特に流れの静かなを好むが,大荒れのを泳ぐこともできる.
また,タマゴグループは「りくじょう」・「すいちゅう1」である.
すなわち,ゴルダックは a) 半水生であり,b) 淡水海水のどちらにも適応している.
これは,アヒルと共通している.
一方,カモノハシは a) 半水生ではあるが,b) 淡水域のみに生息しているという点でゴルダックと異なる.
したがって私は,ゴルダックの生息地はアヒルと似ていると考える.

2) 概日リズム(circadian rhythm)
図鑑には

ゆうがた みずうみの ほとりを かれいに およぐすがたを カッパと みまちがえる ひとがいる (LG)
ゆうぐれ みずべに すがたをみせる (X)

とある.
この記述から私は,ゴルダックは夕方や早朝に活動が活発になる薄明薄暮,あるいは夜行性であると推定する.
ここで,アヒルは主に夜行性である.夕方になると食物を求めて飛び立ち,夜間に採餌を行う.
一方,カモノハシは薄明薄暮性である. したがって私は,ゴルダックの概日リズムはアヒルとカモノハシとのどちらにも似ていると考える.

3) 覚える技
* なみのり,ダイビング:アヒルとカモノハシとのどちらも,水泳・潜水が可能である. * あなをほる:カモノハシは穴掘りを得意とする.

6. 人間社会との関わり

人間との関わりは比較的深い.
例えば,

およぎが とくいな ゴルダックは すいえい せんしゅの とっくんに つきあう ことも ある (E)

という図鑑説明から,ゴルダックの泳力が人間の役に立っていることが理解できる.

また,

なんぱせんから ひとを たすける ことも ある (AS)

と説明されていることから,人命救助をしてくれる心優しいポケモンであることがわかる.

ゴルダックは,トレーナーが旅をする際必要となる秘伝要員としても優秀である.
秘伝技として,なみのりかいりきたきのぼりいわくだきダイビング,(フラッシュ),(ロッククライム),(うずしお)を修得することができる.
さらにフィールド技として,あなをほるフラッシュひみつのちから,(いわくだき),(ずつき)を使うことができる.
コダックはストーリーの序盤で出ることが多いので,秘伝要員としてゴルダックを連れて行ったトレーナーも多いのではなかろうか.

ポケモン総選挙
141 位:コダック

536 位:ビーダルコアルヒー
537 位:ゴルダックペリッパーダストダスメブキジカ

追記予定

7. 名前の由来

ゴルダック(Golduck)の名前の由来の一つは,アヒルを意味する "duck" である.
では,「ゴル」とは何だろうか.

まず,進化前のコダック(Psyduck)に当たり,類推を試みる.
日本語名の「コ」は,子,仔を意味すると考える.
英語名の "Psy" は,超能力,エスパーを意味すると考える.
ゴルダックに戻ると,「ゴル」や "Gol" が,大人や親,超能力,エスパーを意味するとは考えられない.
したがって,進化前のコダックとは関係がないと考える.

次に,「ゴル」や "Gol" の付く言葉を列挙してみる.
Algol, ALGOL, おごる,googol, こごる,五流,Golkar, ゴルゴ,Golgotha, Golgi, ゴルジ体,gold, Goldoni, Goldstein, Goldschmidt, ゴルフ,にごる,Mongol...

追記予定