Golduck Lab

Symbolism will be their downfall.

【Z ポケもんだい 2】サイドンのツノによる穴あけ

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1. 問題

ドリルポケモンサイドン(Rhydon)は,ドリルのように回転するツノをもつ.
サイドンが工作物に対して,わざ「つのドリル(Horn Drill)」を使用して,穴あけ(drilling)を行っている.このとき,次の記述のなかで正しいものを 1 つ選べ.
(a) この加工は,ツノと工作物との相対運動により加工する,切削加工である.
(b) この加工は,除去量がツノを押しつける力によって変化する,圧力加工である.
(c) この加工で得る形状精度は,工作物の表面の形状精度にならう.
(d) この加工では,研磨やラッピングよりも表面粗さの小さな仕上げ面を得ることができる.
 

2. 解答

(a).

 

3. 解説

(a) この加工は,ツノと工作物との相対運動により加工する,切削加工である.

切削加工は,工具と被削材との相対運動による加工である.
この場合,
(1) 工具:ツノ,
(2) 被削材:工作物,
(3) 相対運動:回転運動と直線運動
となる.
また相対運動では,工具が動いても,被削材が動いても,工具と被削材とが同時に動いても良い.
したがって,(a) が正しい.

(b) この加工は,除去量がツノを押しつける力によって変化する,圧力加工である.

工具を押しつける力によって除去量が変化する,圧力加工にあたるのは,研磨やラッピング,ポリッシング,バレル研磨,噴射加工,である.
対して切削加工は,工具に与えた設定切込み量の分だけ削り取る,強制加工である.
したがって,(b) は誤り.

(c) この加工で得る形状精度は,工作物の表面の形状精度にならう.

これは浮動原理の説明であり,圧力加工が当てはまる.
対して,強制加工で得る形状精度は,機械精度(静的精度と位置決め精度)にならう;これを母性原理という.
したがって,(c) は誤り.

(d) この加工では,研磨やラッピングよりも表面粗さの小さな仕上げ面を得ることができる.

加工法ごとの,仕上げ面の表面粗さは,大きい順に,
切削 > 研削 > 研磨 > ラッピング,ポリッシング,バレル研磨,噴射加工,
となる.
そのため一般に,切削や研磨などで加工した表面を,より平滑に仕上げるために研磨やラッピングを適用する.
したがって,(d) は誤り.

【Z ポケもんだい 1】ゴルダックのハイドロポンプが ギルガルドのキングシールドに及ぼす力

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1. 問題

図 1 に示すように,ゴルダック(Golduck)が,ギルガルド(Aegislash)に向けてハイドロポンプ(Hydro Pump)を発射している;ハイドロポンプは,流体の密度 \rho,直径 d,速度 u の噴流とみなすことができる.ギルガルドは,キングシールド(King's Shield)を展開して,ハイドロポンプを防いでいる;キングシールドは,噴流に対して垂直に置いた平板とみなすことができ,x 方向に速度 v で移動している.このとき,ハイドロポンプがキングシールドに及ぼす力 F を求めよ.ただし,\rho = 1000\rm{\ kg/m^{3}}d = 240\   \rm{mm}u = 110\ \rm{km/h}v = u/4,とする.また,重力の作用は無視する.

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図 1 動いているキングシールドに衝突するハイドロポンプ

2. 解答

 F \simeq 23.8\ \rm{kN}.

 

3. 解説

円筒形の検査空間を,図 2 に示すようにとる;平板に沿って,平板の圧力が変化しなくなるまで広くとる.

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図 2 図 1 の補足

噴流(jet):流体が,空間内に連続的に噴き出してつくる,棒状(二次元の場合は板状)の流れ.
噴流の周囲は,一様な圧力の静止流体.
ベルヌーイの定理 $$\begin{align} \frac{u^{2}}{2g} + \frac{p}{\rho g} + z = \rm{const.} \end{align}$$
より,圧力ヘッド p/\rho g,位置ヘッド z が一定なので,速度 u は一定.検査空間の境界面についても同様.

検査空間に,運動量保存則(conservation of momentum)を適用する.

[単位時間あたりの検査空間内の運動量 蓄積量] = [境界面で単位時間あたりに検査空間内に流入する運動量] - [境界面で単位時間あたりに検査空間から流出する運動量] + [検査空間が受ける運動量方向の力の合計]

$$\begin{align} \frac{d}{dt}& \int_{V} \rho \boldsymbol{v}\ dV \\ &= (\dot{m}\boldsymbol{v}) _ {\rm{i}} - (\dot{m}\boldsymbol{v}) _ {\rm{o}} + \sum \boldsymbol{F}. \tag{1} \end{align}$$
ここで,時間 t,検査空間の体積 V,質量流量 \dot{m},速度ベクトル \boldsymbol{v},外力ベクトル \boldsymbol{F}流入:添字 i,流出:添字 o とした.
定常流では,式 (1) の時間微分の項 = \boldsymbol{0} となり, $$\begin{align} (\dot{m}\boldsymbol{v}) _ {\rm{i}} - (\dot{m}\boldsymbol{v}) _ {\rm{o}} + \sum \boldsymbol{F} = \boldsymbol{0}. \tag{2} \end{align}$$

x 方向の運動量の式を立てる.
図 2 より,平板に衝突する流量  Q' は,噴流の断面積  A とすれば, $$\begin{align} Q' = (u - v)\ A. \tag{3}\end{align}$$

噴流の流量 $$\begin{align} Q = u A \tag{4} \end{align}$$

より,式 (3) は, $$\begin{align} Q' = \frac{u - v}{u} Q. \tag{5} \end{align}$$

平板に衝突する質量流量 $$\begin{align} \dot{m} = \rho Q'. \tag{6} \end{align}$$

平板に衝突する噴流の速度:平板に対する噴流の相対速度
$$\begin{align} v_{x} = u - v. \tag{7} \end{align}$$

持ち込み運動量は,式 (6),式 (7) より, $$\begin{align} (\dot{m}v_{x}) _ {\rm{i}} = \rho Q'(u - v). \tag{8} \end{align}$$

持ち出し運動量は, $$\begin{align} (\dot{m}v_{x}) _ {\rm{o}} = 0. \tag{9} \end{align}$$

検査空間にはたらく力の合計は, $$\begin{align} \sum F_x = -F. \tag{10} \end{align}$$

式 (9):検査空間は,平板とともに移動する.また,流体は平板を通過しない.したがって,検査空間から x 方向に流出する運動量はない.
式 (10):流体が受ける力は,平板が受ける力 F の反作用.

式 (2) に,式 (8)〜式 (10) を代入して, $$\begin{align} \rho Q'(u - v) - 0 - F = 0. \tag{11} \end{align}$$

式 (11) と,式 (4),式 (5) より $$\begin{align} F &= \rho Q' (u - v) \\ &= \rho Q\ \frac{(u - v)^{2}}{u} \\ &= \rho A\ (u - v)^{2}. \tag{12} \end{align}$$

題意より, $$\begin{align} \rho = 1000\rm{\ kg/m^{3}}, \tag{13} \end{align}$$
$$\begin{align} A &= \frac{\pi d^{2}}{4} \\ &= \frac{\pi\ (240 \times 10^{-3} \ \rm{m})^{2}}{4} \\ &= 45.238... \times 10^{-3}\ \rm{m}^{2}, \tag{14} \end{align}$$
$$\begin{align} u - v &= u - \frac{u}{4} \\ &= \frac{3}{4} u \\ &= \frac{3}{4} \frac{110 \times 10^{3} \ \rm{m/\cancel{h}}}{3600\ \rm{s/\cancel{h}}} \\ &= 22.916...\ \rm{m/s}. \tag{15} \end{align}$$

求める力は,式 (12) に,式 (13)〜式 (15) を代入し, $$\begin{align} F &= 1000\rm{\ \frac{kg}{m^{3}}} \bullet 45.238... \times 10^{-3}\ \rm{m^{2}}\\ &\ \ \ \ \left(22.916...\ \rm{\frac{m}{s}}\right)^{2} \\ &= 23.758... \times 10^{3} \ \rm{\frac{kg\bullet m^{\cancel{4}}}{\cancel{m^{3}} \bullet s^{2}}} \\ &\simeq 23.8\ \rm{kN}.\ \ // \end{align}$$

【総説】ゴルダックに関する基礎研究

【ポケモン】「ゴルダック」/「Golduckian」のイラスト [pixiv]

この記事では,ゴルダックに関して
1) これまでに得られている知見を整理し,
2) 形態や生態を,類似の生物と比較・検討する
ことを目的とした.

目次

1. 基本データ
2. 種族値
3. 分布
4. 形態
5. 生態
6. 人間社会との関わり
7. 名前の由来

 

1. 基本データ

名前 ゴルダック(Golduck)
全国図鑑 #055
分類 あひるポケモン
タイプ みず
高さ 1.7 m
体重 76.6 kg
特性 しめりけ
ノーてんき
すいすい(夢)
進化 コダック
ゴルダック(Lv. 33)

2. 種族値の特徴

ゴルダック種族値を次に示す.

HP 攻撃 防御 特攻 特防 素早さ
80 82 78 95 80 85 500

種族値{x} とする.
中央値(median) $$ \begin{align} M &= \frac{80 + 82}{2} = 81 \end{align} $$

平均(mean) $$ \begin{align} \overline{x} &= \frac{1}{6} \sum_{i=1}^{6} x_i = 83.333・・・ \\ &\fallingdotseq 83.3 \end{align} $$

 {x ^2} の平均 $$ \overline{x ^2} = \frac{1}{6} \sum_{i=1}^{6} {x_i}^2 = 6976.333・・・ $$

分散(variance)
$$ \begin{align} v_x &= \overline{x ^2} - \overline{x}^2 \\ &= 6976.333・・・ - \left( 83.333・・・ \right) ^2 \\ &= 31.888・・・ \end{align} $$

標準偏差(standard deviation)
$$ \begin{align} s_x &= \sqrt{v_x} = \sqrt{31.888・・・} = 5.647・・・ \\ &\fallingdotseq 5.65 \end{align} $$

以上より,ゴルダック種族値には次の特徴がある.
1) 中央値と平均値との差が小さい.
2) ばらつきを示す標準偏差が小さい.
したがって私は,ゴルダック種族値は,偏りが小さいため,1つの能力に特化させることが難しいと考える.

3. 分布

進化前のコダックが,カントーからアローラまでの全地方に生息しているため,ゴルダック全地方で見ることができる.
この広い分布は,増田順一氏の好きなポケモンコダックであることに起因すると考えられている.

4. 形態

ゴルダックは,あひるポケモンに分類されている.
にもかかわらず,ゴルダックのモチーフはカモノハシかカッパだとする説もある.
カッパ説については,ゴルダックにカッパの特徴である皿と甲羅がないため,私は棄却する.
私は,次に示す理由から,ゴルダックが鳥類のアヒルと哺乳類のカモノハシとの両方の形態を併せ持っていると考える.

1) 四肢
ゴルダックの四肢は比較的長く,水かきが発達している.また,後肢による二足歩行が可能である.
ヒルの前肢は翼になっており,ゴルダックとは異なる.しかし,後肢は水かきも指の本数も共通していて,機能的・構造的に類似している.
一方カモノハシは,四肢の水かきが発達しているという点でゴルダックと共通している.しかし,四肢が短く,二足歩行することができない.

2) 尾
追記予定

3) 流線形
図鑑に

てあしの みずかきと りゅうせんけいの からだが すいちゅうで おそるべき スピードを うみだす (OR)

とあるように,ゴルダックは,泳ぐときに体が流線形をなす.

しかし,カモノハシと違って尾は扁平化していない.

このように,ゴルダックは非常に泳ぎが得意なポケモンなのである.
遊泳速度については,図鑑で次のように説明されている.

およぐ スピードは ポケモンじゅうで いちばん (AS)
きんメダリスト よりも だんぜん はやいぞ (OR)

したがってゴルダックは,120 km/h で泳ぐサメハダーや,フローゼル(=厨ポケ)よりも速く泳ぐことができると考えられている.

コダック時代は激しい頭痛に悩まされており,これにより不思議な力(念力など)を使っていた.
しかし,進化すると頭痛が解消され,を輝かせることで神通力を使いこなすようになると考えられている.
これについて,図鑑には次のような記述がある.

ひたいが あやしく ひかるとき じんつうりきを つかいこなすという (X)

勘違いする人が多いようであるが,ゴルダックになってもエスパータイプは付属しない
さらに言えば,じんつうりきという技は覚えないサイコキネシスは覚える).
この矛盾した図鑑説明は,ゴルダックの基礎研究がいかにおろそかにされているかを示している.

余談であるが,

ひたいが あやしく かがやくとき ゴルダックは もてる ちからを 100パーセント はっきできる (BW2)

という説明があることから,もしゴルダックにメガ進化等の強化があるとすれば,額の輝きが鍵になると推定される.

5. 生態

4. 形態 と同様に,私は,ゴルダックがアヒルとカモノハシとの両方の生態を併せ持っていると考える.

1) 生息地
主に水辺に生息している.
特に流れの静かなを好むが,大荒れのを泳ぐこともできる.
また,タマゴグループは「りくじょう」・「すいちゅう1」である.
すなわち,ゴルダックは a) 半水生であり,b) 淡水海水のどちらにも適応している.
これは,アヒルと共通している.
一方,カモノハシは a) 半水生ではあるが,b) 淡水域のみに生息しているという点でゴルダックと異なる.
したがって私は,ゴルダックの生息地はアヒルと似ていると考える.

2) 概日リズム(circadian rhythm)
図鑑には

ゆうがた みずうみの ほとりを かれいに およぐすがたを カッパと みまちがえる ひとがいる (LG)
ゆうぐれ みずべに すがたをみせる (X)

とある.
この記述から私は,ゴルダックは夕方や早朝に活動が活発になる薄明薄暮,あるいは夜行性であると推定する.
ここで,アヒルは主に夜行性である.夕方になると食物を求めて飛び立ち,夜間に採餌を行う.
一方,カモノハシは薄明薄暮性である. したがって私は,ゴルダックの概日リズムはアヒルとカモノハシとのどちらにも似ていると考える.

3) 覚える技
* なみのり,ダイビング:アヒルとカモノハシとのどちらも,水泳・潜水が可能である. * あなをほる:カモノハシは穴掘りを得意とする.

6. 人間社会との関わり

人間との関わりは比較的深い.
例えば,

およぎが とくいな ゴルダックは すいえい せんしゅの とっくんに つきあう ことも ある (E)

という図鑑説明から,ゴルダックの泳力が人間の役に立っていることが理解できる.

また,

なんぱせんから ひとを たすける ことも ある (AS)

と説明されていることから,人命救助をしてくれる心優しいポケモンであることがわかる.

ゴルダックは,トレーナーが旅をする際必要となる秘伝要員としても優秀である.
秘伝技として,なみのりかいりきたきのぼりいわくだきダイビング,(フラッシュ),(ロッククライム),(うずしお)を修得することができる.
さらにフィールド技として,あなをほるフラッシュひみつのちから,(いわくだき),(ずつき)を使うことができる.
コダックはストーリーの序盤で出ることが多いので,秘伝要員としてゴルダックを連れて行ったトレーナーも多いのではなかろうか.

ポケモン総選挙
141 位:コダック

536 位:ビーダルコアルヒー
537 位:ゴルダックペリッパーダストダスメブキジカ

追記予定

7. 名前の由来

ゴルダック(Golduck)の名前の由来の一つは,アヒルを意味する "duck" である.
では,「ゴル」とは何だろうか.

まず,進化前のコダック(Psyduck)に当たり,類推を試みる.
日本語名の「コ」は,子,仔を意味すると考える.
英語名の "Psy" は,超能力,エスパーを意味すると考える.
ゴルダックに戻ると,「ゴル」や "Gol" が,大人や親,超能力,エスパーを意味するとは考えられない.
したがって,進化前のコダックとは関係がないと考える.

次に,「ゴル」や "Gol" の付く言葉を列挙してみる.
Algol, ALGOL, おごる,googol, こごる,五流,Golkar, ゴルゴ,Golgotha, Golgi, ゴルジ体,gold, Goldoni, Goldstein, Goldschmidt, ゴルフ,にごる,Mongol...

追記予定